【2025年最新】ドローン副業完全ガイド|始め方・稼げる仕事・収入の目安を徹底解説
執筆: Soraseed

はじめに
「ドローンで副業を始めてみたいけど、本当に稼げるの?」「どんな仕事があるの?」そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
結論から言えば、ドローン副業で月収20万円を目指すことは十分可能です。しかし、単に資格を取得しただけでは案件を獲得することは難しく、戦略的なアプローチが必要になります。
本記事では、ドローン副業の市場動向から具体的な仕事内容、収入の目安、必要な資格、案件獲得の方法、そして成功するための戦略まで、実践的な情報を網羅的に解説します。これからドローンで副業を始めたい方、すでに資格を取得したものの収益化に悩んでいる方に向けて、プロの視点からリアルな情報をお届けします。
ドローン副業市場の現状と将来性
1兆円規模へ成長する市場
日本のドローンビジネス市場は急速に拡大しています。2023年度の市場規模は前年比23.9%増の3,854億円に達し、インプレス総合研究所の予測によれば、2030年度には1兆円を突破する見込みです。
この市場は主に3つのカテゴリーで構成されています。
- サービス市場: ドローンを活用した業務そのもの(最大シェア)
- 機体市場: ドローン本体の販売
- 周辺サービス市場: バッテリー、メンテナンス、保険、人材育成など
特にサービス市場が最大のシェアを占めていることから、副業参入者にとっての主戦場は「ドローン技術の応用」にあることがわかります。
レベル4飛行解禁がもたらす新たなチャンス
2022年12月の航空法改正により、「レベル4飛行」(有人地帯における補助者なしの目視外飛行)が解禁されました。これは都市部での物流や高度なインフラ点検など、これまで実現不可能だった新たなビジネスモデルを可能にする画期的な変化です。
政府の「空の産業革命に向けたロードマップ」では、離島や山間部からレベル4飛行を実現し、段階的に人口密度の高い地域へ展開していく目標が明記されています。この流れは、専門性の高い副業オペレーターにとって大きなチャンスとなります。
ただし、レベル4飛行を実施するには「一等無人航空機操縦士」の国家資格が必須となるため、資格の価値と必要性が飛躍的に高まっています。
「仕事がない」は本当か?市場の実態
「ドローン 仕事ない」というキーワードの月間検索数は1,300回を超えており、多くの人が案件獲得に苦労している実態が見えてきます。
市場全体が成長している一方で、個人のフリーランサーが案件を獲得するのは容易ではありません。その理由は、市場成長の多くが大手物流会社、電力会社、自治体といった大規模な産業・公共セクターでの導入によって牽引されているためです。
重要なポイント: 基本的な操縦技術だけを持つパイロットが増加する中、成功するためには「操縦技術+αの専門性」が不可欠です。単なる空撮ではなく、編集スキル、点検知識、測量技術など、補完的なスキルを持つことで差別化を図る必要があります。
ドローン副業で稼げる仕事7選
空撮(写真・映像)
概要: 最も一般的で参入しやすい分野です。
主な用途:
- 商業・プロモーション: 観光地のPR映像、企業の施設紹介
- 不動産: 物件の外観写真やプロモーションビデオ
- イベント: 結婚式、スポーツ、コンサート
収入の目安:
- 静止画撮影: 4万円〜8万円/件
- 映像撮影(撮影のみ): 6万円〜12万円/件
- 映像撮影(編集込み): 10万円〜30万円/件
- 観光PRなど大規模プロジェクト: 15万円〜100万円/件
必要なスキル: 高度な操縦技術に加えて、映像編集スキルを併せ持つことで付加価値が大幅に向上します。
産業点検(インフラ・建築物)
概要: 需要が高く、高単価が期待できる専門分野です。
主な対象:
- インフラ: 橋梁、ダム、道路、鉄道、送電鉄塔
- 建築物: 外壁、屋根、ソーラーパネル
- 産業プラント: フレアスタック、貯蔵タンク、配管
収入の目安:
- 屋根・ソーラーパネル: 2万円〜5万円/件
- 外壁(大規模建築物): 数十万円(250円〜450円/㎡)
- 橋梁・風力発電: 30万円〜200万円以上/件
必要なスキル: 建物診断の知識や、点検報告書の作成能力が求められます。
測量・3Dモデリング
概要: 国土交通省が推進する「i-Construction」により、建設・土木業界で広く活用されています。
業務内容: 地形測量、3次元モデル作成、土量計算
収入の目安:
- 写真測量: 5万円〜40万円/件
- レーザー測量: 120万円超/件(専用機材が必要)
必要なスキル: RTK/PPK機能を搭載した専門ドローン、写真測量ソフトウェアの知識、「測量士」や「測量士補」などの関連資格
農業支援(農薬散布)
概要: 農林水産省の推進により急速に拡大している分野です。
業務内容: 農薬・肥料散布、播種、作物の生育状況監視
収入の目安:
- 面積単位: 2,000円〜3,000円/反(約1,000㎡)
- または2万円〜3万円/ha
- 大規模農地: 1日10万円以上も可能
必要なスキル: 専用の農業用ドローンと、メーカー指定の認定資格が必須となります。
ドローンスクール講師
概要: 国家資格制度の導入に伴い、需要が増加しています。
収入の目安:
- アシスタント: 7,000円〜2万円/日
- 主任講師: 5万円/日
- 正社員換算: 年収300万円〜400万円
必要なスキル: 深い専門知識と指導力
防災・公共安全
概要: 災害発生時の被害状況調査、捜索救助活動、物資輸送など、公共性の高い重要な役割です。
特徴: 自治体や消防・警察との連携が求められることが多く、高い信頼性と専門性が必要です。
その他の新興分野
物流: 離島・山間部におけるラストマイル配送や、レベル4解禁後の都市部での配送
ドローンショー: プログラムされた多数のドローンによるライトショー
警備・監視: 広大な施設の自動巡回警備
収入の目安と料金体系
業務別の単価一覧
ドローン副業の案件単価は、一般的に3万円から10万円の範囲が多く、3〜4時間程度の作業で約5万円の報酬が標準的です。
| 業務種類 | 詳細内容 | 価格単位 | 価格目安(下限) | 価格目安(上限) |
|---|---|---|---|---|
| 空撮 | 結婚式の映像 | 1案件 | 5万円 | 15万円 |
| 空撮 | 観光PR動画 | 1案件 | 15万円 | 100万円 |
| 点検 | 屋根点検 | 1件 | 2万円 | 5万円 |
| 点検 | 橋梁点検 | 1案件 | 30万円 | 200万円 |
| 農業 | 農薬散布 | 1ha | 2万円 | 3万円 |
| 測量 | 写真測量 | 1案件 | 5万円 | 40万円 |
| 講師 | スクール補助講師 | 1日 | 7千円 | 2万円 |
月収シミュレーション
ケース1: 空撮メイン(土日のみ活動)
- 週末に2件の空撮案件(編集込み): 15万円×2件×2週 = 月収約6万円
ケース2: 点検業務(平日夜+土日)
- 屋根点検を月8件: 3.5万円×8件 = 月収約28万円
ケース3: 複合型(空撮+点検)
- 空撮2件(各15万円)+ 点検4件(各3万円)= 月収約42万円
熱心に取り組めば、副業で月収20万円を達成することは十分可能です。ただし、継続的に案件を獲得するためには、営業活動やネットワーキングへの投資も必要です。
高収入案件の特徴
- 専門性が高い: 高度な技術や資格を要する業務
- 規模が大きい: 大規模インフラの点検や広範囲の測量
- リスクが高い: 危険な環境での作業
- 編集・解析込み: 撮影だけでなく、データ処理まで提供
- B2B案件: 企業や自治体との直接契約
初期投資と運営コスト
必要な機材と費用
ドローン本体:
- 初心者・入門プロ向け(DJI Miniシリーズ): 10万円〜15万円
- 本格的なプロ向け(DJI Airシリーズ): 20万円〜30万円
- ハイエンドプロ向け(DJI Mavic 3 Pro, Inspire): 100万円超
- 専門業務向け(農業、測量): 200万円〜1,000万円以上
必須周辺機材(約10万円):
- 予備バッテリー(複数必須)
- microSDカード(高速・大容量)
- NDフィルター
- プロペラガード
- キャリングケース
- 風速計
- 双眼鏡(目視維持用)
PC・ソフトウェア: 映像編集やデータ解析用の高性能PC(20万円〜30万円以上)
初期投資合計: 本格的な副業を開始するための現実的な最低ラインは50万円〜100万円程度です。
資格取得にかかる費用
国家資格の講習費用は以下の通りです。
- 二等資格: 約9万円〜30万円
- 一等資格: 50万円〜100万円以上
継続的な運営コスト
年間で発生する主なコスト:
- 保険料: 1万円〜3万円(対人対物賠償責任保険)
- メンテナンス費用: 1万円〜3万円(消耗品交換、定期点検)
- ソフトウェア利用料: 0円〜5万円(年間サブスクリプション)
- 交通費・出張費: 案件による
- マーケティング費用: ウェブサイト維持費、プラットフォーム利用料など
必須の資格と法規制
国家資格と民間資格の違い
国家資格(無人航空機操縦者技能証明): 2022年12月に導入された、政府が公的に認める資格制度です。
一等資格:
- レベル4飛行に必須
- 最高レベルの資格
- 取得費用: 50万円〜100万円以上
- 社会的信頼性: 極めて高い
二等資格:
- 認証された機体を使用する条件下で、特定の飛行における許可・承認申請が簡略化または免除
- 多くの専門業務における実質的な標準資格
- 取得費用: 9万円〜30万円
- 社会的信頼性: 高い
民間資格: JUIDAやDPAといった民間団体が発行する資格。主な利点であった飛行許可申請の簡略化措置は2025年12月をもって終了予定です。今後は、特定のメーカー認定(農業用ドローン等)や、国家資格取得へのステップとして位置づけられます。
取得すべき資格の優先順位
ドローン副業を本格的に検討する方には、社会的信頼性と長期的な運用の自由度を確保するため、二等国家資格の取得が最優先の推奨事項です。
一等資格は、レベル4飛行を実施する場合や、最高レベルの差別化を図りたい場合に検討すべきですが、高額な取得費用がかかります。
飛行許可申請(DIPS 2.0)の手順
許可が必要なケース:
- 飛行禁止空域: 空港周辺、高度150m以上、人口集中地区(DID)
- 禁止されている飛行方法: 夜間飛行、目視外飛行、人・物件から30m未満の飛行、危険物輸送、物件投下
申請プロセス:
- DIPS 2.0でアカウント作成と機体登録
- 操縦者情報の登録(資格、総飛行時間等)
- 申請書の提出(個別申請 or 包括申請)
- 審査と許可(最低10開庁日を要する)
ビジネス用途では、一定期間・範囲での反復飛行が可能な「包括申請」が一般的です。十分な余裕を持った申請計画が不可欠です。
案件獲得の具体的な方法
ドローン専門マッチングサイト
関連性の高い案件を見つけるための最も直接的なルートです。
代表例:
- 楽天ドローンゲートウェイ
- SORA de WORK.
- 空職人
- ドローンマッチング
利用方法: 自身のスキル、資格、保有機材を詳述したパイロットプロフィールを作成し、掲載されている案件を検索・応募します。
クラウドソーシングの活用
代表例:
- ランサーズ
- クラウドワークス
- ココナラ
特徴: 登録者数が多く競争が激しい一方、低単価の案件も多い傾向があります。初期の実績作りやポートフォリオ構築には適していますが、継続的な高収入を目指すには課題が残ります。
SNS・ポートフォリオでの集客
ポートフォリオの重要性: 自身の最高の作品をまとめた質の高いポートフォリオは、最も強力な営業ツールです。オンラインでいつでも閲覧可能な状態にしておくべきです。
SNSの活用:
- プラットフォーム: Instagram(視覚的コンテンツに最適)、X(旧Twitter、拡散力が高い)
- 戦略: 高品質なコンテンツを定期的に投稿し、関連ハッシュタグ(#ドローン撮影、#空撮等)を活用
- 効果: フォロワー数の増加は、信頼性の向上と案件受注に直接つながる可能性があります
個人ウェブサイト: ポートフォリオ、提供サービス、連絡先情報を集約する中心的なハブとして機能し、事業の信頼性を高めます。
直接営業とネットワーキング
地域特化の直接アプローチ: オンラインの案件を待つだけでなく、不動産会社、建設会社、イベント企画会社など、ドローンサービスの恩恵を受けられる地域のビジネスに積極的にアプローチすることが効果的です。
ネットワーキング:
- ドローンスクール: 業界とのつながりを持ち、卒業生に仕事を紹介することがあります
- 業界イベント: 展示会やセミナーで潜在的なクライアントやパートナーと名刺交換
- 個人的なつながり: 最初の仕事は「知り合いづて」から生まれることが多い
成功するための戦略
「パイロット・プラス」の専門性確立
市場には基本的な操縦スキルを持つ参入者が増加しています。成功するためには、操縦スキルだけでは不十分であり、補完的な専門技術こそが差別化と価値創造の源泉です。
例:
- パイロット兼エディター: プロレベルの映像編集スキル
- パイロット兼測量技術者: 写真測量データの処理能力
- パイロット兼建築診断士: 建物の診断知識
このような「パイロット・プラス」というアイデンティティが、独自のセールスポイント(USP)となり、基本的な操縦業務のコモディティ化に対する防衛策となります。
ニッチ市場の開拓
飽和状態にある消費者向けイベント市場で競争するのではなく、産業スケールの需要に応える専門的なニッチ市場を狙うべきです。
政府のロードマップは、以下のような有望分野を示しています:
- 物流支援
- 災害現場のマッピング
- 特殊インフラ点検
- 精密農業
これらの分野では、大手物流会社、電力会社、自治体といった大規模クライアントのニーズに応える専門性が求められます。
価格競争を避ける差別化戦略
失敗パターン: 低価格で案件を受注し続けると、持続不可能な収益構造に陥ります。
成功戦略:
- 専門性を武器に付加価値を提供
- 品質とサービスで差別化
- 長期的な顧客関係を構築
- B2B案件に注力
リスクと注意点
よくある失敗パターン
- 操縦スキルのみに固執: 営業、マーケティング、ネットワーキングといったビジネススキルを軽視
- 事業計画の欠如: 不十分な財務管理と顧客獲得戦略
- 価格競争のみで勝負: 持続不可能な収益構造
- 早期の断念: 最初の案件獲得が最も困難
保険の重要性
法的地位: すべてのケースで法的に義務付けられているわけではありませんが、業務としての運用には保険が事実上不可欠です。DIPS 2.0での飛行許可申請では保険の加入状況を申告する必要があります。
保険の種類:
- 賠償責任保険: 第三者への損害を補償(最も重要、交渉の余地なく必須)
- 機体保険: ドローン機体自体の損傷や紛失を補償
潜在的な賠償額は数億円に達する可能性もあるため、賠償責任保険なしでの事業運営は致命的なリスクです。
税務・確定申告
年間の副業所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要となります。機材購入費、保険料、交通費などの経費を適切に計上するための帳簿管理が求められます。
その他のリスク
- 天候依存性: 風、雨、霧などの天候に大きく左右される
- 技術的故障: 定期的なメンテナンスが不可欠
- プライバシー侵害: 慎重な飛行計画と必要に応じた同意の取得
- 規制の不遵守: 航空法、電波法、地方条例などの理解と遵守
まとめ
ドローン副業市場は、戦略的なビジネス思考を持って取り組む熱心なプロフェッショナルにとって、実現可能なキャリアパスです。2030年には1兆円を超える市場規模が予測され、レベル4飛行解禁による新たなビジネスチャンスも広がっています。
しかし、成功するためには以下の要素が不可欠です。
5つの成功戦略:
- 「パイロット・プラス」の専門性を確立する
- 国家資格(二等)を最優先で取得する
- 詳細な財務計画を策定する(初期投資50〜100万円)
- B2Bのニッチ市場に集中する
- 初日からビジネスとして取り組む
月収20万円という目標は、適切な戦略と継続的な努力により達成可能です。ただし、単にドローンを飛ばす能力ではなく、ドローンをツールとして顧客の問題を解決する能力こそが成功の鍵となります。
コスト、スキル、法規制の複雑さといった参入障壁は高まりつつありますが、これは真剣な事業者にとっては、安易な競合を減らすという点でむしろ好ましい傾向と言えるでしょう。
成長する産業界や公共セクターに対して具体的な価値を提供できる、専門性の高いドローン起業家への道が、今、開かれています。
